Archive for May 2008

22 May

業界はオープン価格


先日、テレビで介護用品の悪徳業者を取り上げた番組を見た。
役所の人間が電話で業者に、レンタル商品が適正価格じゃないので営業を取止めるように説得するシーンだった。
呆れたことに、一ヶ月のレンタル代が定価の10倍の価格なのだ。
ところが業者が逆ギレ!「わが社の商品はオープン価格で適正価格だ」とのたまってた。

確かに適正価格ってなんなのか?じゃなんのためにオープン価格があるのか?疑問に思った。

実はオイラの業界(広告業界)も同じようなことが行われています。悪徳業者とはまったくの逆ですが。
実はこの業界、適正価格・正規値段がないのだ。つまりはオープン価格と言うこと。
しかしながら、オープンにしてるのはわが社ではなく、クライアントなのだが。
こちらは正規価格(まあ世間的に、こんなモンだろう的な)で見積もりを出す。
見積もりとは言え、一連の仕事が終わった後に出すので、まったく見積もりの役割がないのだが。
ところがその見積もりに堂々と赤が入る。つまりは値引きしろとのお達しがくる訳だ。
ラフ20案作ろうが、徹夜の作業になろうが、まったく関係なし。
たしかにデザインに適正価格がないのは首肯けるが、大体はクライアントや代理店の思う価格にそんな大差はないはず。
じゃあなぜ引くのか?多分、価格ゲームに乗らされているのだろう。

上に行けば行くほど、多少でも引いてもらえばそれは儲けになる訳で、
その下の会社は、引かれた分をまたその下の会社の価格を引けばいいわけで、
その下の会社は、引かれた分をまたその下の会社の価格を引けばいいわけで、
その下の会社は、引かれた分をまたその下の会社の価格を引けばいいわけで…、
と、末端にあるオイラの会社は、年中半額セール!!となる訳です。

オイラの会社は、クライアントに不具合がないように対応だけは怠らないようにしている。
そのせいで、外注に仕事を発注することも出来ない。(価格が安くて出せないせいもあるが)
ことろが、こんなオイラの会社が一番不具合が多いのはなぜだろ?値引きが多いのはなぜだろう?
デザイン事務所を経営する方なら、同じ悩みで頭が痛いところでしょう。

やっぱ、末端にあるオイラみたいな境遇の会社の皆で、グラフィック業界の適正価格を一度考え話し合うべきだと思いませんか。
労働組合なんて皆無な業界だけど、この業界の未来を考えて大手の代理店なんかが率先して提案してもらってもいいのでは?
代理店やクライアントのためにも、今考え実行することは将来的に有効だと思うんだけどな〜。
じゃないと、徹夜・休日出勤・タクシー帰り・社員の手当て・そして借金のような、
経費と体力だけ浪費する儲けなしの業界になってしまいますよ。って、もうなってっか!

こんな業界に未来は…。


03:08:49 | handclap | 2 comments |