Archive for April 2008

26 April

めがね


「かもめ食堂」で大ヒットを記録した監督、萩上直子監督の最新映画[めがね]で今日はカウチポテトです。
かもめで感じた空気感をまた感じたく見ましたが、少し期待外れ(?)。
でもほんのりした出来は、相変わらずゆったりした感覚を与えてくれてる。

加瀬亮扮するヨモギが言う好きなセリフで「ひねもす春の海」というのがあるが、
オイラにも同じ経験がある。
山形の冬はかなり厳しく、海を見ることなど殆どない。見るとしても、怒りまくった粗々しい海である。
そんな日本海も、春になれば違う顔の海に変身する。
昨日まで荒れてた海が一瞬で静けさを取り戻し、穏やかな海となる。
「ひねもす春の海=春の海は一日中穏やかだ」という意味。
そう、春になると見る気さえしなかった海に、朝早くに出てたそがれる。
遠い海の彼方を見ながらたそがれる。オイラはそんな子供時代を送っていました。

だからだろうか、この映画に感銘できたのが映画のテーマでもある「たそがれ」である。
都会でたそがれると言うと「寂しそうに過去を思う」とか、「可哀そうな自分に酔う」みたいに連想するが、
本来の意味は、「好きな場所で自分を見つめ直すこと」だろうと思う。
そんな「たそがれ」を画面上に目一杯表現する映画が、この[めがね]なんだと思う。

ここ一ヶ月、目一杯仕事に没頭し疲れまくりのオイラを、旅気分にさせてもらえた上に、
たそがれることの本来の意味を思い出すことの出来た映画でした。

20:00:55 | handclap | 2 comments |