Archive for November 2007

23 November

現代に通じる「鬼十則」


「鬼十則」。知る人ぞ知る、電通の4代目社長吉田秀雄によって1951年につくられた電通社員、
通称「電通マン」の行動規範とも言える非常に有名な社訓である。
以前からこの社訓の存在は知ってはいたが、改めて読むと現代(特に近年)に精通する言葉だと感心させられる。
植田正也/著[電通「鬼十則」広告の鬼吉田秀雄からのメッセージ]を読んでの感想なんだが、
とりあえずその「鬼十則」を読んで欲しい。

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

近年、フリーターだのニートだの就業意欲の無い若者が多い中、
過去の終身雇用時代に、すでにこんな的確な言葉を発する熱血社長がいたとは驚きだ。
もしかしたら近年のこの状況が来ることを、予測出来ていたのではと思えるほどだ。
というぐらい、仕事しない就職しない若者にこの十則をしっかり肝に銘じ読んで欲しいと思う。

オイラと言えば、十則の大半をクリア出来てると自負するが、3.の大きな仕事はしてないかな〜…と
10.の摩擦は怖れてるな〜特に社員との…。思いっきり卑屈未練になってるし。

気合い入れ直して、頑張っていい仕事しないとな。

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16 November

整理術でいいデザイナー


最近暇でなんか秋だし、読書でもと思い本屋へ。

店頭平積みで気になる本を発見。「佐藤可士和の超整理術」って本だが、可士和初の著書らしい。
なぜこの本が目に止まったのか?
同じアートディレクターとしての教本ではなく、「整理」って文字に反応したせいである。
オイラは常々、「グラフィックデザインを志す者として、当然必要な要素とは[整理]である」を持論にしてきた。
オイラが多摩美の専門で講師をしていた頃からの持論である。
というか、自分でも恐ろしいぐらいの潔癖症が原因してるのだが。

整理(ここで言う整理は整理整頓の意味)出来ない人間って、多分どんな仕事でも中途半端な人間が多いと思う。
特にデザインを職業とする人間には致命傷と言っても過言じゃない。

もちろん可士和の本にも同じことが書いてあるんだが、可士和論的に一歩進めて考えると、
整理できない人間は企業と社会とのコミュニケーションの取り方が下手で、
整理し無駄を省く作業(この場合企画立案等)に不慣れだと言うわけ。
オイラもまったく同意見だ。
またそんなデザイナーがやたら多いのも、そう思わなければならない要因の一つだ。
クライアントの事務所に打合せに行くと必ずといっていいほど目にする光景が、資料山積みの机と、
誰が使ってたのって聞きたくなるような、占領されたミーティングテーブル。
このゴミ(いくら資料だと言われてもオイラにはゴミにしか見えない)が周りにある限りは、
きっと、いいデザインやアイデアが頭の中に存在するはずがない。
だからオイラの会社は見事に整理されております。来客者は驚いて、オイラは満足。

パソコンのファインダの整理しかり、可士和と同意見だ。
彼の会社では毎月曜の午前中に、社員全員でパソコンのファインダ整理をするらしい。
もちろん綺麗に整理されるまで延々続けられるらしいが。
我社のパソコンも[サムライ]同様きっちり整理されてますよ。社長自ら整理してますから。

オイラの会社じゃ彼みたいなブランドイメージ訴求広告は作れてないが、小さい広告媒体だって考え方は同じ、
整理そのものが発想の手助けをしてくれるし、そしてクライアントの欲しいと思う欲求がおのずと見えてくる。

「アートな人間は乱雑なんだ!」なんて考えは20年遅れてますよ。
そんなデザイナーは一度、修行僧となり山寺にでもこもってみましょう。きっといいデザイナーになれるはずです。

04:26:30 | handclap | 2 comments |