Archive for February 2007

19 February

アンジェラ


今日見た映画は[アンジェラ]。
ご存知、リュック・ベッソン監督のフランス映画である。
全編モノクロの映画で、内容と言えば”ベルリン・天使の詩”を思い出させる。

主人公の男(アンドレ)はフランスに移住した中東系アメリカ人。
借金だらけの、うだつの上がらない男(オイラみたい)なのだが、
そんな彼を救いに天から天使(アンジェラ)が舞い降りてくる。
アンジェラはアンドレの自己愛の無さに怒り、愛に目覚めるよう警告するが、
アンドレの愛は自己愛より、アンジェラその人に向かう。
立ち直ったアンドレ、使命を終えたアンジェラが天に帰ろうとするが、
最後はアンジェラもアンドレを愛し、人間界に留まることとなる…。

こんなストーリーなのだが、アンジェラの心打たれた言葉がある。
「自分を愛せない人間は、人を愛することが出来ない。
まず心をさらけ出し、そして愛してると言う。」
オイラに言われてる気がした。
何もかも自信が無くなりつつあるオイラに、人を語る資格はないのかも。
老いてく自分に不安を感じ、今あるものにしがみついて、
全てを怖がっているオイラに前進はないよね。

オイラにもアンジェラみたいに怒ってくれる天使が、舞い降りてこないかな。

03:36:22 | handclap | No comments |

12 February

みなさん、さようなら


みなさん[みなさん、さようなら]って映画知ってますか?
2004年に公開された映画で、カナダ・フランス合作映画です。

親父が亡くなって半年経ち、ふと、この映画のことを思い出してしまいました。

主人公レミは余命少ない頑固親父。
そんなレミの最後を、家族が看取るまでの間を描いた映画です。

そんな親父とそりが合わず、しばらく連絡さえ取らずにいた息子(セバスチャン)は、
レミの病状を母に知らされ、病院にへと向かう。
若かりし頃のレミは、女癖が悪く、周りに悪態をつき、
最後まで自分の人生を謳歌し続けたわがままな父親であった。
そんなレミをセバスチャンには理解できなかった。いや、嫌いだった。
しかし死を真近にしたレミに、セバスチャンは昔の友人を呼び寄せたり、
外洋に出ていた妹に衛星メールで連絡をとり、妹の画像をレミに見せたりした。
セバスチャンの記憶に、もう昔のレミの姿はない。
そして介護の甲斐なくレミは逝く。
「みんなとささやかな時間を過ごせて幸せだった。君らの笑顔に送られて逝くよ」
と、別れの言葉を残して。

この映画のことを、今オイラとダブらせて考えている。
最後まで自分の人生を謳歌し続けたわがままな父親。
そんな親父が嫌いだった過去のオイラ。
最後が近いと感じてから、親父の愛と感謝に気付くオイラ。
そんなオイラに親父は、レミと同じ言葉を言ってくれただろうか?
いや、恥ずかしがり屋で頑固な親父のことだ、
きっと向こうで言ってくれてると思う。

06:30:05 | handclap | No comments |

05 February

ポビーとディンガン


いい映画を見ました。
ベン・ライス原作のベストセラー小説[ポビーとディンガン]の映画化。
お話はと言うと、オーストラリアの片田舎でオパール鉱石を掘り、
一獲千金を狙うお父さんを親に持つ家族のお話。
空想の友達をもつケリーアン(妹)が、彼女の妄想のせいで家族を境地に追いやるが、
アシュモル(兄)の献身的な行動で、町の人々が空想の友達を信じていくといったストーリー。

話は変わるが、オイラの周りにもケリーアンみたいな子がいる。
正直で、天然過ぎて、なぜかオイラは振り回されっ放し。
その子に悪気はないのだが、面倒が多い。でもなぜか嫌いになれない。

この映画、不思議にストーリーが淡々と過ぎていく。
見終わった後も、心の変化に気付かないほどなんだが、時間が経つにつれて考えさせられる映画だ。
それほどオイラには自然に感じられた。

実はオイラも時々街中で、見えるはずもない人を偶然見ることがある。
なぜかオイラには見えてるのだが、他人には見えないらしい。
オイラは他人に「変人だ」とか「アホか」とか言われてるのだろうか?
でもそんなオイラを女房は信じてくれている。

ケリーアンはオイラみたいに、友人が見えてるのだろうか?
まあ、見えてても見えてなくてもどうでもいい。
そんなことより妹の言葉を信じ、
病気の妹を元気にしたいという兄の想いが、この映画では大切なことなんだ。
人を信じる気持ちが、家族や町中の人々の気持ちを変えていく、このことが大切なんだ。
信じれば夢も空想も現実になる。そんな映画に巡り合えて幸せです。

01:30:43 | handclap | No comments |